第2回シニアメンバー懇親会

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2017年8月15日火曜日

「経験主義」との決別が国を変える 松井孝典

【正論・戦後72年に思う】「経験主義」との決別が国を変える それを乗り越えるのは政治主導だが… 千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典」は次のように言う。

≪宇宙なしに社会は成り立たない≫

  • 準天頂衛星の3機目に続いて、年内にもう1機打ち上げられ、4機体制で本格的な運用が始まる。そうなると社会のインフラ整備も進み、宇宙なくしては成り立たない社会に近づいたことを実感するだろう。
  • 米国がこのまま手をこまねいていると、中国が5年以内に月面基地建設に着手する。そうなると、その後は月面着陸に際し他国からは着陸料を取るなど、とんでもないことが起こるぞという、警告のような冗談を含む講演で、それを漫画にして見せながら、この種の会議では珍しく本音の議論を展開した。米国の有人宇宙探査は、国家のDNAに刻まれていることを彷彿(ほうふつ)させる内容だった。

≪教育が文明の発展を駆動する≫ 

  • 社会も知の世界も、経験主義に基づく過去の尊重だけでは発展しない。経験主義は停滞をもたらすだけだ。その停滞が乗り越えられたのは、経験に加えて推測、推論という思考が始まったからだ。
  • その結果、自然や世界についてより良い説明がもたらされ、さらにそれが繰り返され、さらなる発展がもたらされた。無限の発展をもたらす正のフィードバックの始まりだ。

≪思考の改革で停滞を乗り越えよ≫

  • 宇宙の科学に関する分野では、20世紀最後の10年から今世紀にかけて、それ以前の「宇宙観」を大きく変えるような発見が相次いでいる。
  • 老人が経験主義の弊害に陥るのは仕方がない。国もまた老いれば同様だ。官僚の思考もまた経験主義だからだ。単年度の予算査定の仕組みそのものが経験主義の上に成立している。
  • 問題はそれが若者に蔓延(まんえん)していることだ。筆者の近い分野でいえば、理数離れもその一つの兆候だ。推測、推論は数学において鍛えられる。物理学は経験に基づくが、推測、推論も必須だ。
  • 経験のみに基づく解釈を推測によって補い、より良いものに変えていく。それだけで国も人生も劇的に変わる。難しいことではない。その気持ちをみんなが持つことだ。

<体性思考で考えよう!>…結論

  • 推論が、正しく展開されるかどうか?
  • 論理だけでは、おぼつかない。
  • 体性感覚が必要である。
  • 思考改革は体性思考で進めよう!

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