2020年元日、朝日新聞などの一部全国紙や地方紙に掲載されたそごう・西武の一面広告が話題を呼んだ。「さ、ひっくり返そう」という大きなキャッチフレーズが踊り、それと不釣り合いなほど小さな力士。「勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明」「どうせ奇跡なんて起こらない」といった11行の本文を一読すると、土俵際に追い詰められた状況が浮かぶ。だが、注意書きに従って下から上に読み直せば、大逆転ストーリーに様変わりする。ユニークな広告手法はSNSで多くの人から賞賛された。仕掛け人であるそごう・西武の相原秀久・営業企画部広告宣伝担当部長に、広告の狙いを聞いた。
WWDジャパン（以下、WWD）：今回の正月広告に対する反響は？
・・・・
WWD：このようなメッセージ広告はいつから始めたのですか？
相原：18年の木村拓哉さんは当時SMAPが解散し、ジャニーズに残るという決断に世間から厳しい目が注がれる中での起用でした。・・・・希林さんは年齢、木村さんは世間の常識や同調圧力に屈しないというメッセージを込め、私自身も手応えを感じていました。
WWD：しかし、19年の安藤サクラさんがパイ投げを受けているビジュアルの広告は大炎上しましたね。
相原：パイは女性を取り巻く「抑圧」の表現で、それに自覚的に立ち向かう人たちへのメッセージでした。当時「＃MeToo」運動が世界的に広がりを見せる中、問題提起をしたいと企画したのですが、ビジュアルが強烈すぎたのかもしれません。お叱りの声が多く寄せられ、中には店舗のお客さま窓口まで抗議にいらっしゃる方もいらっしゃいました。
WWD：火消しのためにどう対応しましたか？
相原：・・・・批判が殺到したら、ひとまず広告自体を取り下げる方が企業としては無難かもしれません。・・・・
「批判があったからといって安易に広告を取り下げれば、予定調和的な結果になってしまう」と語る相原秀久・営業企画部広告宣伝担当部長
相原：・・・・批判が殺到したら、ひとまず広告自体を取り下げる方が企業としては無難かもしれません。・・・・
「批判があったからといって安易に広告を取り下げれば、予定調和的な結果になってしまう」と語る相原秀久・営業企画部広告宣伝担当部長
WWD：同じ時期、やはり女性の描き方で広告が炎上し、謝罪や取り下げを余儀なくされた有名企業もありました。
相原：・・・・西武百貨店は1980年代に、糸井重里さんの「おいしい生活」をはじめとしたユニークな・・・・ユニークさを求めるあまり裏目に出てしまうこともある。
WWD：炎上騒動は20年のコーポレート広告にも影響を与えましたか
相原：・・・・コーポレート広告はお客さまに向けると同時に社内に向けての宣言でもあります。・・・・ネガディブなニュースに触れて、意気消沈する社員が出てくるかもしれない。ならば今回は自社をとりまく状況をひっくり返そう。さまざまな逆境に立ち向かっているお客さま、そして社員をも鼓舞するようなメッセージを作りたいと思いました。
相原：・・・・西武百貨店は1980年代に、糸井重里さんの「おいしい生活」をはじめとしたユニークな・・・・ユニークさを求めるあまり裏目に出てしまうこともある。
WWD：炎上騒動は20年のコーポレート広告にも影響を与えましたか
相原：・・・・コーポレート広告はお客さまに向けると同時に社内に向けての宣言でもあります。・・・・ネガディブなニュースに触れて、意気消沈する社員が出てくるかもしれない。ならば今回は自社をとりまく状況をひっくり返そう。さまざまな逆境に立ち向かっているお客さま、そして社員をも鼓舞するようなメッセージを作りたいと思いました。
WWD：なるほど。裏テーマとしては19年の正月広告の炎上、そして百貨店事業の不振という2つの逆境を乗り越える意味があったのですね。
相原：・・・・幕内最軽量の168cm・98kg。小兵であることをハンデと思わず、それむしろ強みとし、周囲の予想を跳ね返して大きな力士に打ち勝っていく姿が、今回の主題にぴったりだった。
相原：・・・・幕内最軽量の168cm・98kg。小兵であることをハンデと思わず、それむしろ強みとし、周囲の予想を跳ね返して大きな力士に打ち勝っていく姿が、今回の主題にぴったりだった。
WWD：新聞広告のコピーやビジュアルのポイントは？
相原：・・・・本文も最後まで読んでもらうためにどうするかを考え、あえてネガティブなことを言ってみようかと生まれたのが「逆読み」のアイデアです。
WWD：今回の反響を踏まえて広告の価値をどう捉えていますか。
相原：・・・・常に何か面白いものを発信しなければという西武百貨店時代からのDNAは今もわれわれの中にあります。時流を読み、工夫を凝らせばまだまだ人の心を動かせる。毎年続ければハードルもどんどん高くなりますが、来年も皆さんをあっと驚かせるような発信をしたいと考えています。
安藤サクラさんの顔にパイが
相原：・・・・本文も最後まで読んでもらうためにどうするかを考え、あえてネガティブなことを言ってみようかと生まれたのが「逆読み」のアイデアです。
WWD：今回の反響を踏まえて広告の価値をどう捉えていますか。
相原：・・・・常に何か面白いものを発信しなければという西武百貨店時代からのDNAは今もわれわれの中にあります。時流を読み、工夫を凝らせばまだまだ人の心を動かせる。毎年続ければハードルもどんどん高くなりますが、来年も皆さんをあっと驚かせるような発信をしたいと考えています。
安藤サクラさんの顔にパイが
- 女性にパイ投げ - J-CASTニュース
2019年1月7日 ... 安藤サクラさんの顔にパイが... 「女の時代、なんていらない？」――。そごう・西武の 広告は、大きく書かれたこの一節に続き、「女だから強要される。女だから無視される。 女だから減点される。女であることの生きづらさが報道され、そのたびに『 ... - 「安藤サクラの無駄遣い」との声も 批判続出のパイ投げ広告 | 女性 ...
2019年11月26日 ... 安藤サクラの無駄遣い」との声も 批判続出のパイ投げ広告. 投稿日：2019/01/04 21: 30 ... 《安藤サクラさんを起用したならパイをぶつけられてるようなのじゃなくて満面の 笑みで中指立ててるビジュアルが良かった》. 《飛んでくるパイを華麗に ... - 西武・そごうのパイ投げ広告に批判殺到 安藤サクラの起用に疑問も
2019年1月4日 ... 《例の広告の女性、安藤サクラなの？》 ポスターではパイで顔が隠れているが、この 女性モデルは安藤サクラ（32）。動画バージョンでは安藤がパイをぶつけられながら ナレーションをしている。 《意味わからないし安藤サクラさんの無駄づかいだと ... - 【どう思う？】西武・そごうの広告『わたしは、私。』に賛否の声 / 安藤 ...
2019年1月8日 ... ... わたしは、私。』に賛否の声 / 安藤サクラにパイが次々と投げられて… ... と力強く話し 続ける安藤さんに容赦なくぶつけられるのは、真っ白なパイ。 ... パイをぶつけられている のが “世間的な女性像” で、そこにパイを投げているのが “わたし” 」.
週刊紙「WWDジャパン」「WWDビューティ」のウェブ版。両紙がカバーする国内外のファッション＆ビューティ業界のニュースはもちろん、コレクションのルック、パーティーやストリートのスナップ、アートやメディア、ライフスタイル情報など、ファッションやビューティに強い興味を抱く消費者にも響く、感度の高い情報を提供しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿